1923年、東京の帝国大学で女学生が神話を研究している。

彼女は古文書を読み解き、現代に生きる「神」の存在を疑う。

その夜、地下で開かれた集まりで彼女は一冊の本を手渡される。表紙には「騎士団長」と刻まれていた。

関東大震災後の復興期、街はまだ傷跡を抱えている。ある日、駅前で男が倒れる。

顔は見えないが、服から「騎士団長」の名札が落ちる。警察は死因を不明とし、噂は広がる。

女学生はその名札を拾い、家に持ち帰る。

彼女は本を開くと、中に記された文字が次第に動き始め、自分の手を包む。

それを見た瞬間、世界が揺れる。時間の流れが歪み、過去と未来が交差する。

彼女はかつての時代に引き戻され、騎士団長の記憶を共有する。

騎士団長は現世に来た異世界人だった。

彼の国では神話が現実となり、王は神の意志を受けて統治していた。

しかし、その国の民は神話の価値を失い、暴走した権力に囚われた。

騎士団長はその改革を試みたが、反対勢力によって暗殺された。

女学生はこの真相を知り、自分もまた「神話の再解釈」に関わっていることに気づく。

彼女の研究がきっかけで、異世界の歴史がここに持ち込まれたのだ。

そして、彼女もまた暗殺の標的にされる。

1925年、東京の通りで女学生が倒れる。

誰も彼女の顔を見ることなく、その場に残されたのは一冊の本と、「騎士団長」と書かれた名札だけだった