大正十二年、東京の帝国大学付属女子高等学院で、十六歳の聖女・早苗は学園祭の準備に追われる。
彼女の両親は旧家出身で、彼女は生まれたままの聖女として育てられていた。
だが、ある夜、彼女は突然の夢に引き込まれる。
夢の世界では、街並みが昭和レトロな風景に変貌し、ブラウン管テレビの音が空気中に漂う。
そこは「スローライフ」を謳う異世界で、人々は日常を大切に生きている。
早苗はここで「スキル覚醒」の兆しを感じる。
手を触れただけで花が咲き、言葉をかけると物語が動き始める。
しかし、この世界には「悪役令嬢」が存在した。
彼女は早苗を追放するため、学園内の陰謀を仕組んでいた。
夢の中での行動が現実に影響を与えるというルールがあり、早苗はそのことを知らずに行動する。
夢の世界で彼女が出会ったのは、ダンジョンの最奥に潜む「溺愛の神官」だった。
彼は早苗の運命を読み、彼女に告げる。「あなたはここに来るべきだった。
でも、夢から覚めたら、あなたの人生は終わる。」
早苗はスキルを最大限に使い、悪役令嬢との対決を挑む。
だが、夢の中で勝つことは現実に勝つことではない。彼女は自らの力で、自分の運命を切り開こうとする。
夢が終わりを迎えるとき、早苗は学園の屋上に立つ。
関東大震災後の復興の記憶が胸に焼き付き、彼女は「切ない」気持ちの中で、自分を見つめ直す。
スキル覚醒は終わった。聖女としての使命も終わった。彼女はただ、今ここに生きることを選んだ。


