帝国大学附属学園の王子様・佐藤悠真は、ある日突然、教室から消えた。

その代わりに、漆黒のドレスを纏った少女が現れ、彼を「追放された悪役令嬢の部屋」へと連れ去る。

この少女こそ、異世界転生によってこの世に現れた「リリア・アルカディア」だった。

リリアの元世界では、学園が「タイムリープ」の実験場として機能していた。

だが、その技術は人間の意識を無限に繰り返す「スローライフ」状態に陥らせる危険性を持っていた。

彼女は、その実験の犠牲者としてこの世に投げ出された。

悠真は、リリアの指導を受けながら、学園の暗黒な裏側を暴くための知識を学ぶ。

二人の間に師弟関係が生まれるが、それは同時に恋愛感情も孕み始める。

しかし、リリアの身体には「漆黒の鎖」と呼ばれる装置が取り付けられていた。

それは、タイムリープを制御し、彼女の意識を固定するためのものだった。

ある夜、悠真はリリアの部屋に潜入し、その装置を破壊しようとする。

だが、それは禁忌の行為であり、リリアの意識が永久に断絶してしまうことを意味した。

彼は選択を迫られる——リリアを自由にするか、あるいは学園のシステムを守るか。

最終的に、悠真は装置を破壊し、リリアの意識を解放する。

だが、その瞬間、学園の世界自体が崩壊し始めた。

タイムリープの実験が完全に失敗し、全ての時間が止まった。

残されたのは、漆黒のドレスと銀の鎖の断片だけだった。学園の王子様は、もう戻らなかった。