昭和レトロの団地に住む少女は毎朝、駄菓子屋の前で自転車を止め、新聞を広げる。

その習慣は、関東大震災後の復興期に生まれたものだ。

彼女の幼馴染は、ブラウン管テレビの映像を眺めながら、オイルショックの記憶を語る。

二人の日常は、昭和の温かさに包まれていた。

しかし、ある日、駄菓子屋の窓が割れ、煙が立ち上った。周辺の電気が止まり、人々は驚愕する。

この時代に、かつてない異常が起こった。それは、街の端に出現した「怪物」だった。

誰もが見知らぬ存在だが、幼馴染はそれを知っている。

彼はかつて、帝国大学の研究室で見たことがある——異世界からの影が、現代の街に降り立つことを。

女性向けの雑誌が今や、異世界転生を謳う。だが彼女は、そんな幻想に興味を持たない。

ただ、自分の日常を守りたいだけだ。そして、幼馴染が命をかけて戦うのを許せなかった。

怪物は、街の中心に進み、人々の心を奪う。その力は、昭和の風景を歪める。

テレビの画面はノイズとなり、駄菓子屋の品物は次々と消えていく。幼馴染は、自分を信じるしかない。

彼には、過去の研究から導き出された「光の結晶」がある。

これは、当時の科学では理解できないが、彼の手に渡った唯一の武器だった。

怪物が近づくたびに、街はより暗くなる。だが、幼馴染は動じない。

彼は、かつての仲間たちと協力し、光の結晶を街の中心に据える。その瞬間、怪物は一時的に止まる。

人々は、ようやく呼吸をできるようになった。

その後、街は元の秩序を取り戻す。だが、幼馴染はもう元の生活に戻れない。

彼は、光の結晶を手にし、次の異常を待ち続ける。彼女の視線は、いつまでも彼の背中を見ている。

日常の癒やしは、今や彼らの戦いの一部となった。